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住宅業界歴30年!大ベテラン住宅営業マンの業界未来予測!!

はじめに

こんにちは。

住宅営業マンの皆さんは、これから加速していく住宅業界の変化に対応していくための勉強をしていますか。

気密断熱や環境設備機器の技術進歩といくつもの補助金を中心とした省エネ化、今後始まる人口減少や資材高騰による建物の高額化、そしてすでにはじまっている住宅展示場からWEB問い合わせへの顧客との初回接点の変化。

皆さんはまさに激動の時期に住宅営業をなさっていると思います。

私がハウスメーカーに勤務していた2010~2022年も、たくさんの変化はありましたが、勉強すべきことが変わっていったくらいで、基本的な営業のステップは大きく変わりませんでした。

先ほど挙げた中で、今過渡期であり、大きな変化となるのは3点目の展示場からネットへと最初の顧客接点が変化していっているという点です。

この顧客接点含めたネットによる環境の変化ついて、ハウスメーカー住宅営業30年の大ベテランと話をする機会があったので、皆さんにも彼の考えを読んでもらって、何か感じ取るものがあるといいなと思います。

また、そのあとで、私なりの今後の未来予測も書かせていただきますので、併せて、みなさんが今後どういった対応をすべきなのかを考えるきっかけになれば幸いです。

業界歴30年のベテラン住宅営業マンの未来予測

今回たまたまお話を伺った住宅営業マンは、大手ハウスメーカー勤務で、ずっと都内で一線級の成績を残してきた方です。(便宜上A氏とします。)

A氏から、住宅営業の仕事が、この30年でどう変わってきたのかをうかがえたので、「来場の変化」「接客の変化」の2つに分けて、書いていきたいと思います。

〇来場の変化

A氏は現在50台中盤で、住宅営業のキャリアをスタートさせたのは30年ほど前、1990年代のことでした。

ご自身曰く「油が乗っていた」と語る30代だった2000年代は、まだまだ住宅業界は堅調で、新築着工戸数は110万戸程度。今と300万戸も差がありました。

持ち家に限っても700万戸以上の時期もあり、現在の500万戸程度とは大きな差です。

そんな住宅業界が好景気の中での来場者は、今とは雲泥の差があったといいます。

A氏の現在在籍しているモデルハウスの直近2か月の新規来場者数はおおよそ40件程度で、展示場の営業マン一人あたりの接客数は8~10件くらいになります。

1か月あたりに直すと、4,5件の接客をしているということは、毎週末1件しか接客できていないことがわかります。

それに対して、2000年代の展示場では、毎週末接客に向かえば「座る暇なんかなかった」そうです。

毎週15~20件の接客ができて、そこから2,3件契約ターゲットとなりえる住宅購入に積極的なお客様が接客できたといいます。

この時代の話を前職の会社の先輩に聞くと、どの先輩も「月イチ契約できないと、会社にいられない空気だった」と言います。

4,5倍の接客数を得られた当時にそのまま管理職になったマネージャーたちと、今の30代以下の住宅営業マンの間に、価値観のズレや違和感があるときは、この接客数や顧客の意欲などの経験に大きな差があるのかもしれませんね。

A氏はそんな2000年代の好景気も知りながら、現在の住宅についても冷静に見ています。

〇接客の変化

2000年代、インターネットの普及はされていても、スマホもなく、まだまだ住宅についての情報収集はモデルハウスでするのが当たり前の時代でした。

顧客とのコミュニケーションも、訪問・郵送が中心の時代。

お客様の購買意欲が高まっているかを知るのは「営業マンの感覚」によるところがとても大きかったといいます。

それが、A氏の今後の予測では、顧客の購買意欲は、サイトのコンテンツの視聴内容やWEB問い合わせで判断できるようになるといいます。

そうなると、営業マンは必要ない。

初回接客すらも、プレッシャーのかかる営業マンがいるよりは、ペッパーくんの接客だったり、そもそも無人のほうがいいのではないか?とA氏は語ります。

住宅営業マンは、自身の「営業マンの感覚」などは必要なく、ビッグデータ解析の結果、「今このお客様が建築に一番前向きだ!」というタイミングで、お客様のわからないところを補填していく補助的な存在になるのではないかという見解でした。

いかがでしょうか。

営業マン不在の未来、こういったネガティブな予測をされている方も多くいらっしゃると思います。

こうなると、営業マンの人員削除はますます加速していき、モデルハウスは不要になっていきます。

みのの未来予測

前述のA氏の住宅業界の未来予測、皆さんはどう感じられましたでしょうか。

私も共感するところは多かったですが、住宅営業マンにとって、そこまでネガティブな未来は訪れないのではないかと思っています。

〇顧客との最初の接点は間違いなく変わっていく

現在すでにA氏が実感してきたように、モデルハウスに予約も何もなく来場するお客様は、今後より一層減っていくと思います。

お客様はネットでの下調べをしたうえで、公式サイトからハウスメーカーにコンタクトを取るか、住宅情報を発信しているポータルサイトからハウスメーカーから連絡を希望する申し込みをするか、SNSなどで情報発信しているインフルエンサーから営業マンの紹介依頼をするという形になっていくと思います。

そうなると、住宅営業マンは、モデルハウスで待っていても何も意味をなしません。

公式サイトやポータルサイトでの顧客情報は、建築意欲の高いお客様ほど、営業成績がいい・上司に気に入られている営業担当のところにいってしまいます。

会社・上司から新規顧客情報与えられるのを待つ「つまらないサラリーマン住宅営業マン」が大量発生すると思います。

そこから脱出するためには、「自分だけの紹介ソース」を開拓することがより一層大切になります。

2023年現在は、住宅系インフルエンサーやハウスメーカー紹介サイトなどが乱立してきており、これらと接点を持つことで、「自分だけの紹介ソース」をある程度確保することもできるかもしれません。

しかし、インフルエンサーやハウスメーカー紹介サイトの中でも、発信内容・ビジネスモデル・紹介先のレベルなどによって自然淘汰されていき、より影響力の強い人・企業が間違いなく残っていきます。

すると、その後も影響力を持った人・企業に住宅営業マン個人に関係を維持できるかというと、ハウスメーカー本社での対応が中心となっていき、当初から関係性がある住宅営業マンはまだしも、後から別の住宅営業マンは参入するこができず、2030年代にはインフルエンサー・紹介サイトから「自分だけの紹介ソース」の確保は難しくなっていくと思います。

住宅営業マンの皆さんには、少し考えていただきたいことがあります。

それは、自分が行っているアプローチは「自分のためか」「会社のためか」ということです。

前述のインフルエンサーや紹介サイトは、多くの住宅営業マンが狙っている魅力的な新しい紹介ソースです。

しかし、彼らが年間で100件以上の紹介をあなたの所属するハウスメーカーに出せるかというと、なかなかその規模の情報を持っていることは少ないし、そんな影響力がある相手に本社がアプローチしていないことはないと思います。

そうなると、年間数件、数十件のインフルエンサー・紹介サイトに対して、新規でアプローチするのは、エリア外の対応のためのやりとりがたくさん発生するので、「自分のためか」というと不経済です。

そのインフルエンサー・紹介サイトが、①今後大きくなっていき、その時自分や会社へのリターンが大きく望めるので付き合っていきたい、②地域密着型なので、紹介数は少ないが自分が担当できる可能性が高いという2択でない場合は、結構なストレスだと思います。

そうなると、ネット上のインフルエンサーや紹介サイトとの付き合いは本社に任せて、住宅営業マン自身が目指すべきは、「ローカルさ」です。

地域の企業、団体、コミュニティで、これから家を買ったり建てたりする購買層と接点を持っているところにアプローチをかけてほしいです。

インフルエンサー・紹介サイトは、全国のあらゆるメーカーの住宅営業マンが商機があるのではないかとアプローチをかけていきますので、その住宅営業マンたちの中で一つ抜きんでていないといけませんので、皆さんが彼らにDMを送るなどのアプローチしても、数あるDMの一つになってしまい、埋もれてしまいます。

その点、地域の企業、団体、コミュニティは目をつけている人は少なく、その少ない競争率の中で選ばれるアピールをしていくのは比較的容易です。

なので、会社はますますネット上での集客に力をいれていき、個人は地域の企業、団体、コミュニティからの紹介を狙っていくというのが、今後の在り方かなと思っています。

A氏の考えるように、すべての集客がWEBになっていくかというと、私はこのネット社会だからこそ、「口コミ」の力が小さくても強い力を持つと思っていますので、ここに力を入れて、自分の営業成績を担保できる規模の「自分だけの紹介ソース」を持つ住宅営業マンがより強くなっていくと予想します。

〇対人の接客は希少価値があがる

お客様が、モデルハウスでいきなり住宅営業マンの接客を受けることを避けて、モデルハウスに来るとしてもペッパーくんによる接客や、無人のモデルハウスを求める傾向が強くなるという点は私もA氏に同意です。

しかし、一番大きな流れとしては、ネットからの情報収集をしてから、ハウスメーカーにコンタクトをとろうとするというのが一番だと思います。

また、営業マンの役割がサイトコンテンツやAIの付属、補助的な役割になるという点については私の意見はちがいます。

現在、コンビニやファミレスで徐々にセルフレジやロボットの導入が進んでいるように、安価なモノの販売やサービスは機械に置き換わっていくでしょう。

その一方で、高付加価値なモノに関してはますます人によるサービス・おもてなしの重要性が高まると思います。

そのため、これからは「当たり前の情報はネットでお客様が調べる」「AIがついていけないパーソナルな対応や感情に訴えるところが営業マン」という棲み分けが行われます。

当たり前のカタログに載っているようなトークはいらなくなり、営業マンに大切なのは機械には吸い上げられない潜在的なお客様のニーズや、商談を進めるに当たっての不安に対するフォローです。

つまり、ただ情報を伝える作業をサイトコンテンツやAIが代わってくれるようになるので、より一層、顧客対応の洞察力・コミュニケーション能力が際立って重要になっていくということです。

さいごに

いかがでしょうか。

業界歴30年のA氏と、私の視点から見た住宅業界の今後の変化予測は、皆さんの未来を考えるための示唆ができましたでしょうか。

二人の間には初回のコンタクトの形、接客などの住宅営業マンに求められるものについての考えは若干の違いがありました。

しかし、二人共感じているのは、まさに変化は加速しており、5年前と同じ接客をしていて、変化の準備もしていない住宅営業マンは間違いなく、未来はないということです。

ぜひ、皆さんはこの変化の時代を勝ち残れる強い住宅営業マンになってください。

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