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転職エージェントとして、クライエントを「受容」する

はじめに

こんにちは。

今日は、キャリアコンサルタント養成講座を受講する中で、私が一番感動した言葉、「受容」について、ブログとしてまとめたいと思います。

「受容」というのは、講座の最初から、キャリアコンサルタントとして、最も重要視される言葉として教わりました。

この言葉は、クライエントに向かい合うための最も大事な姿勢であり、常に意識しないといけないものです。

「受容」するとは?

「受容」するというのは、クライエントの言葉を、否定も肯定もしないで、受け止めるということです。

これって、実はすごく難しいことです。

クライエントが今抱いている自分の意見や感情を、肯定も否定もしないことで、相手に自分の想いだけを再認識してもらうことができるようになります。

特に難しいのが、クライエントが自分自身に否定的なことを語った時に、それすらも否定しない事。

「私なんて仕事もできないし、職場の人からも嫌われているんです!」と言うクライエントに対して、「そんなことないですよ!大丈夫ですよ!」って絶対言いたくなりますよね。

でもそれは、クライエントの否定的な自己認識を「否定」していることになるわけです。

「受容」するためには、相手の言葉を否定も肯定もしてはいけないので、相手を励ましたい気持ちをぐっとこらえて、「そういったお気持ちでいらっしゃるんですね」と事実のみを受け止めないといけないのです。

「どうして?」って思いますよね。

でも、自分に対して否定的になっているクライエントの立場で考えると、なるほどなーと思います。

自分が落ち込んで、ネガティブな話をしてしまったときに、「そんなことない!大丈夫だよ!」と言われたところで、自分が仕事でミスをしたり、職場の同僚とうまくいっていないということは事実な訳です。

事実を否定されたところで、クライエントの気持ちとしては、「このキャリアコンサルタントは私の話を聞いてくれない!理解してくれない!」という気持ちになってしまいます。

そういった気持ちになってしまうと、クライエントはそこから心を開いて相談しようという気持ちを一気に失ってしまいます。

だからこそ、否定も肯定もしない「受容」という姿勢がとても大事になってきます。

「そういうお気持ちでいらっしゃるんですね。」「仕事ができない、職場で嫌われていると感じているんですね。」と受け止め、相手への理解を示すことで、信頼関係を築く一歩とすることができます。

そのあとで、心を開いた会話ができるようになったクライエントと、「仕事ができない」「職場で嫌われている」ということは事実なのか、深刻に悩んでしまう出来事なのか、改善できるものではないか、といったことを考えるきっかけとなる質問を投げかけていきます。

そうすることで、「仕事でミスはしたけど、他の人もしている他愛もないことだった」「職場の会議で衝突しただけで、嫌われているわけではなかった」といった、事実に対しての理解が変わることがあります。

もしくは、事実に対しての理解は変わらなくても、それを改善する方法が考えられるようになったり、そういったことが起こらない環境に移ることを考えられるようなきっかけを与えられることもあります。

こういった、次のステップへとすすめることができるのも、全てはクライエントを「受容」することで、第一歩である信頼関係を築けるからなのです。

「受容」する姿勢が大事だと再認識した体験

先日、友人が突如の病気になってしまいました。

その友人は、仕事にストイックなタイプで、病気によって、仕事が十分にできない状態が数か月続き、とてもストレスをためているようでした。

仲間うちの集まりにも顔を出さなくなった友人に、私が電話をかけると、今の状況や、心境を素直に打ち明けてくれました。

ここで、私が真っ先に頭に浮かべたのは「受容」するということでした。

自分の仕事がうまくいかず、「早くよくしないといけない」「焦って余計にメンタルが不安定になっている」という友人の言葉を否定せず、一つ一つに相槌をうち、話を聞いていきました。

その上で、今自分が一番大事にしているのが「受容」するという言葉であり、「今病気である」という事実は変わらないけど、その病気も、うまくいかない仕事も、焦る気持ちも否定せずに、「受容」して、自分自身を否定しないでほしいと伝えました。

自分自身を否定すると、余計にあせり、余計に仕事も空回りして、負のスパイラルになってしまうと思ったからです。

まずは、何か落ち度があって友人は病気になったわけではないので、しっかりと自分と向き合って、焦らないことが大切だと思ってもらいたかった。

そんな私の姿勢が伝わったのか、「みのと電話できてよかった、なんか軽くなった」と言ってもらえました。

順風満帆ではない、何かひっかかるものがある時こそ、こういった寄り添い方がより響くんだなと実感した体験でした。

この「受容」をみのはどう仕事に活かすのか?

転職エージェントというと、どうしても求人票をつけたスカウトメールをバンバンと送り付ける作業を繰り返している人を思い浮かべてしまいます。

しかし、私はキャリアコンサルタントを目指す立場として、きちんとクライエントを「受容」し、相手の求めるものが何なのかを一緒に考えていける、オーダーメイドの転職サービスを目指していきたいと思っています。

すぐに、どんな求人があるのか、どんな条件で自分が転職ができるのかを気にしている人にとっては、煩わしいかもしれませんが、クライエントの根本にあるものを一緒に見つけることで、ただその一回の転職を成功させるのではなく、その後のキャリアにおいて悩みのない一本筋の通った道が切り拓けるような寄り添い方をしたいです。

ぜひ、そんなパートナーを求めている方は、「キャリアの棚卸しをしてみたい」というところからでも構いませんので、ご相談をお待ちしています。