はじめに
こんにちは。
本日は、私自身が考える、ハウスメーカー住宅営業マンのキャリアパスはどうあるべきかについて、思うことを書いていきます。
私自身、22歳の新卒で大手ハウスメーカーに就職し、2022年12月末まで勤めてきた中で、キャリアについては常に悩んできました。
そのことは、自己紹介のページでも書かせていただいていますので、ぜひ、リアルな体験談となっていますので、読んでもらえたらうれしいです。
一般的な住宅営業のキャリアパスとは?
まず、私の勤めていた会社では一般的にどのようにキャリアを重ねていくのかを書いていきたいと思います。
こちらをお読みいただいた方の中で、ご自身の会社は「全く違う組織体になっているよ」という方は、私の視野が広がるので、ぜひ、お問合せ欄やTwitterDMで、教えてください。
私の勤めていた会社では、一つの支店・支社が、3~7つの展示場を管理していました。
各展示場には店長というプレイングマネージャー(30歳前~くらい)がいて、その下に部下が2~4人程度配置されています。
各展示場は、支店の営業責任者・営業所長(35歳~くらい)によってマネジメントされていきます。
更に、営業部、設計部、工務部、総務部のような各部署を束ねる支店長(45歳~くらい)がいる。
こんな感じで支店の中の営業部署は構成されていました。
住宅営業マンのステップアップ
なので、入社したスタート時点では、展示場の1メンバーとしてキャリアがスタートし、展示場の店長を目指すのが最初の大きなステップになります。
しかし、その店長になれるのも、支店で管理されている展示場の数だけなので、上の先輩たちも詰まっています。
更に、自分に目が向けられたタイミングで期待された成果が出ないと、またしばらく上がるチャンスがくるのが数年後というのもザラにあります。
多くの住宅営業マンは、この「店長になる」というステップをクリアできずに、毎年同じ営業活動にマンネリ感を感じてしまい、数字を落としていきます。
そんな難しい関門である店長になったあとには、更に営業責任者・営業所長になるという大きなステップが待っています。
支店の各店長から1人しか上がれない営業責任者・営業所長になるのは、展示場の数字、個人の数字、社内での評価など総合的な判断をされます。
当然、優秀な店長たちで競い合うので、熾烈な出世争いとなります。
この出世争いに勝てないと、マネジメントに専念できるポディションになれないので、永遠にプレーヤーとして営業活動をしないといけません。
結局、プレイングマネージャーというひたすらに忙しいポディションとなり、疲弊していく先輩店長をたくさん見ました。
なんとか営業所長までたどりつければ、そこから支店長への移行は比較的時間の問題で、あがれている人が多い印象です。
なので、営業責任者・営業所長までのステップがとにかく勝負と言えます。
しかし、このしっかりとしたピラミッド型の組織では、2,30人に1人しかマネジメント層にいきつくことができず、多くの営業マンは、自身で希望をしない限りは、プレーヤーとして何十年も営業活動を続けていく形になります。
40代後半から、徐々に成績が悪い営業マンは、他部署やグループ会社への異動が検討されますが、その受け皿も決して大きくないので、営業成績も上がらずにずっと営業を続けている先輩もたくさんいました。
ハウスメーカー営業マンのメリットって?
では、今のハウスメーカー営業マンのキャリアの現状から、どう変化すべきなのでしょうか。
私は、ハウスメーカーは安定した雇用を強調し、長く勤められる環境を整えるよりも、短期間に成長を目指せる場であることをアピールすべきだと考えています。
ハウスメーカー営業マンとして働くメリット
・若いタイミングで一人の顧客を任されるので、成長が早い
・インセンティブが大きいので、若いうちから稼げる
・家を建てる時に社割が得られる
凄く雑にまとめると、ハウスメーカー営業マンとして働くと、上記の3つのメリットがあると感じました。
終身雇用が崩れた現在において、この3つは大きな要素になるのではないでしょうか。
まず、ハウスメーカー営業マンでは、早ければ1年目から、遅くても3年目あたりでは独り立ちをしてお客様を任され、数千万円の案件を対応することになります。
金額の大きさと同時に、多くのお客様にとっては一生の買い物であるという重さがあります。
そういった責任ある仕事ができるということは、大きな成長を生み出すことができます。
終身雇用が前提で、ゆっくり会社の中で成長すればいいという時代と異なり、いくつかの企業で転職をすることが当たり前になってきた現在。
新入社員から数年で、どんな仕事でも活きてくる営業力がつくというのは大きな魅力ではないでしょうか。
更に、多くのハウスメーカーでは、新人のうちから比較的給与水準が高く、成績に応じたインセンティブ設計もしっかりとしています。
20代のうちからお金を稼ぎやすく、営業成績が軌道に乗れば、資産形成を早いうちに形成することができます。
ある程度の資産ができれば、ライフプランにおいて色んなリスクをとった選択肢を選ぶこともできるようになります。
最後に、これはおまけのようなものですが、家を建てようと思ったら、社割があったり、色んな協力会社からの支援をしてもらうこともでき、割安で家を建てられます。
これもケースバイケースですが、100万円単位のメリットになることもあるので、ライフプランを考える上で有利に働きます。
このように、ハウスメーカー営業マンという仕事は、転職を3,4回繰り替えすことが当たり前になってきた現在において、早い成長、安定した資産形成、割安なマイホームと、次のキャリア形成を支援する基盤があります。
ハウスメーカーはリクルートを目指せ!
そこで、ロールモデルをあの有名企業・リクルートにおき、営業マンが40歳前後で新しいステージに向かうことをハウスメーカー自身も支援したらいいのではないでしょうか。
リクルートでは、今現在ではシステムが変わっているかもしれませんが、アラフォー世代で退職金が頭打ちとなるように設定されています。
「働かないオジサン」がいない会社の工夫 (ちょっと古い記事ですが)
この仕組みの支援もあって、リクルートには独立・ステップアップを目指す風土が若い社員のうちからあるといいます。
結果として、リクルートでは次々と社員が羽ばたいていき、新しいステージで成功した方が多くいらっしゃいます。
こちらのWikiを見るだけでも、皆さんが知っている有名ビジネスマンもいらっしゃるのではないでしょうか。
ハウスメーカーも、給与設定や役職の配置についてリクルートを見習って、20代から圧倒的な成長と、豊かな給与体系にすることで、営業マンの早期成長と、ピークアウト前に次のステージへと羽ばたかせることを支援すべきだと思います。
前述の組織体形でいうところの、店長になれなかった層が、40超えて会社にモチベーション低くいるのではなく、圧倒的な成長をもって、次のステージに自然と飛び立っていくことになるわけです。
これは、個人にとっても、自分のキャリアを真剣に積み上げるきっかけになるし、ハウスメーカーにとっても、成績が落ちてきたベテランを抱え続けるリスクを避けることができます。
さいごに
ハウスメーカーは新卒採用した営業マンを丁寧に育てて、いかに辞めさせないかにどんどん力をいれています。
そうすると、モチベーションがそこまで高くない・営業成績があまりよくない若手社員を抱えたまま30代40代を迎えさせてしまうわけです。
営業マン側も、どうにかしたいけど、会社の守ってくれる風土と、ある程度生活できる給与体系に甘えて、気が付くといい年になってしまう。
これは営業マン自身にとって、居心地がいいだけで、40代以降のキャリアを考えると決して幸せなことではありません。
一部のマネジメント層へとあがっていける営業マンを除いて、適切なタイミングで羽ばたける準備をさせてあげられる度量が、今後のハウスメーカーに求められているのではないでしょうか。
これはあくまで私が12年9か月務めてきた中での、一つの視点での主張です。
採用者の目線や、マネジメント側、経営層の視点ではまた違ったものが見えてくるかもしれません。
しかし、少なくともこの12年で、会社・業界は色々な施策をうって、40代以降の再起を支援してきました。
私には、それらは決して魅力的な施策には見えないし、どこのハウスメーカーでも形骸化し、同じような構図に陥っていると聞きます。
私は、ハウスメーカーが営業マンの次へのステージを支援できるような、前向きなキャリアが築ける場となるように、若手時代からの成長と、成熟してからのより魅力的なキャリアを支援したい。
それが、12年9か月お世話になった、住宅業界への私なりの恩返しの仕方ではないかと最近思っています。
ぜひ、ご一読いただいた住宅営業マンの皆さんの、ご自身なりのキャリア、業界の未来を描くきっかけにこの記事がなれば幸いです。