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住宅営業マンとして成績が伸び悩んでいる方へ 

はじめに

木造系大手ハウスメーカーで12年半住宅営業として働いてきた私ですが、成績は不振社員から全国表彰へと大きく変わってきました。

順当とは言えないキャリアを送ってきた私だからこそ、成績が上がらずに苦労される住宅営業マンの気持ちが痛いほどわかります。

今日は、そんな成績で苦労されている住宅営業マンの方へ、成績改善に向けたファーストステップの提案です。

もし、皆さんの会社で売れている人が1人もいないのであれば、それは会社の抱えている問題も大きくあるのだと思いますが、周りを見て、いい成績を出していらっしゃる営業マンがいるのであれば、売れない理由を外的要因(商品、会社対応、金額、来場数など)にせずに、しっかりと自分がどうして売れていないのかを分析してみましょう。

私は、住宅営業マンが売れる・売れない理由は大きく4つに分類できると思います。

モチベーション/社会人としてのマナー/住宅知識/住宅営業としてのテクニック

上記の4つです。

まずは、一つずつ考えてみましょう。

モチベーション、これがないとはじまらない

1つ目は、モチベーション、やる気や動機です。

どんな仕事もこれがないとはじまりませんが、一番大事なのは、自分の内側からめらめらとやる気湧き上がってくる理由です。

これは、立派な理由である必要である必要はなく、お金がほしい、モテたいなどでも大丈夫です。

ただ、自分が仕事をしていく理由を考えたときに、「住宅営業でバリバリ仕事をしたら、こんなことができる!」と自分が素直にワクワクできる必要があります。

コネ入社、他に内定が取れなかったなど、自分の中でモチベーションにつながらない理由で会社選定をしている方は、もう一度、自分の中で仕事のやりがいや、仕事をつづけた先に得られるものが魅力的なのかを考え直してみましょう。

住宅営業の仕事が向いていようと、向いていまいと、そもそも仕事にワクワクできる要素がないと、成長ができませんので、ここをおざなりにして、知識やテクニックばかり身に着けようとしても、定着せずに終わってしまいます。

私も、就職活動のときに思い浮かべた住宅営業の魅力は正しかったのか、自分が仕事をつづけた先に、描いた夢が達成できるのかを真剣に考え直した時期がありました。

その結果、「あ、この仕事を選んだこと自体は正しくて、売れていないからつらいだけだ」と気付くことができて、モヤモヤした気持ちは晴れて、成績を上げることだけに集中できるようになりました。

まず、しっかりと自分のやる気と向き合ってみてください。

できてるつもりの人が多い、社会人としてのマナー

次に、社会人としてのマナーです。

細かく分けていくと、身だしなみ、社内での対応、社外での対応と私は分けて考えています。

ここでは、身だしなみについてお話をさせていただきますが、年代によって原因が大きく異なっていることが多いです。

まず、若い人に関しては、圧倒的に「だれのための身だしなみか」を勘違いしている人が多いです。

「自分がカッコイイと思っているから」「モテたいから」という理由で、髪型や服装のチョイス、小物を選んでいませんか。

これは大きな間違いで、身だしなみは「自分のメインターゲット層からどう見えているか」がすべてです。

25歳の住宅営業マンが、考えるべきは、マッチングアプリで出会った同世代の相手の第一印象をよくすることではなく、週末モデルハウスの玄関でお出迎えするファミリーにどうみられるかです。

また、ミドル層以降の人に言えるのは、体形と、清潔感、時代と大きく外れたファッションです。

年齢と共に体形が崩れていくのは、私も30代半ばになり、体感しているところではありますが、なにも20代と同じようなバリバリの体形を保つ必要はないと思います。

最低限、この人はセルフコントロールができる人なんだと思ってもらえる程度にはしておきたいところです。

以前にネットで見た記事ですが、営業指南として、「お客様は自分の体形すら管理できない人間に、自分たちの家づくりが管理できるはずがないと思われる」というような内容が書いてありました。

そこまで強くは思わないと思いますが、あえてふくよかな方がおおらかなキャラとマッチして、魅力的に映る人ではない限り、生活習慣は整えていきましょう。

これと似たような話題で、清潔感があります。

年を重ねて、結婚して家庭もあると、モテる必要もないし、自分が見られている意識がどんどんと薄れていきます。

その結果として、髪の毛の乱れ、肌の荒れ、ひげのそり残し、よれた服装、汚い靴など、あちこちにひずみが生まれてきます。

爪きり、目やにの確認、鼻毛が出ていないか、接客前に確認できていますか?

毎朝、鏡を見て、髪型をセットするときに、「今日出会うお客様は私と契約したいと思えるだろうか」と問いてみてください。

「別に見た目はどうでもいいや」と思っていた人は、きっとハッとする自分の変化に気づけるはずです。

最後に、時代と大きく外れたファッションです。

時代に応じてスーツのサイジングは変わっていきます。

なんとなく知ってる店で、いつものサイズで買い続けていませんか。

トレンドだけでなく、あなたの体形も変わっているかもしれませんし、同じスーツ・シャツなどを何年も着ているとヨレ、シミ、黄ばみなど気づかないうちに目立ってきていませんか。

何年もあなたは真っ白のシャツだと思ってきているものが、他人からはしっかりと黄ばんで見えていることもあります。

年齢問わず、身だしなみが気になる方は、ぜひ、周りの人に相談してみたり、買い物に付き合ってもらってみてください。

私は、スーツ屋さんに幼馴染がいたので、上司から「一度ファッションを見直してこい」と言われたときに、幼馴染にまるごとコーディネートしてもらい、大きな変化を遂げることができました。

それまでは、とりあえず「無難」を大事にして、白のシャツに紺やグレーのスーツでした。

しかし、私自身は意識していないと、目つきが悪くなってしまうところがあり、カチッとしたスーツスタイルでいると、相手を追い詰めている印象を与えやすいことを指摘されました。

そこで、幼馴染にそこから脱却できるように、「カジュアルな雰囲気をつくれるように」とお願いし、ジャケパンに挑戦し、ベルト、靴、カバンも茶色にし、時計も外して、柔らかい雰囲気をつくることを大事にしました。

服装が変わると自分も変わり、以前の商談より、「営業をしている」「仕事をしている」というモードから、一人の人間としてどう思うかといった意見が言えるようになったり、雑談が増えたり、カジュアルな言葉遣いができるようになりました。

自分がいいと思っている、ではなく「身だしなみは相手のために」という気持ちで、自分を見つめてみてください。

営業知識は最低限はもちろん必要

次に、営業知識という分類ですが、建築の知識や、デザインについて、建築法規や、ローン、資金面のアドバイスをする金融知識など多岐に渡ります。

成績が伸び悩んでいる住宅営業マンの中には、これが足りないから売れないと思っている方は非常に多いです。

そのために、宅建やFPの資格をとって、「知識を得た」という事実に満足して、本来の目的を忘れてしまっている人をたくさん見ました。

極論の話をしますが、あなたのおじいちゃん・おばあちゃんが、家を建てるとして、あなたに知識があるからという理由であなたに仕事を頼みますか。

おそらく、おじいちゃん・おばあちゃんは、あなたに小難しい質問や宿題を投げかけることなく、「家を建てるから頼むよ」と相談してくると思います。

それは、あなたが「かわいい信頼できる孫」だからです。

つまり、住宅営業の仕事は、膨大な知識を日々学んでいくべき仕事ではあり、学んだ分だけお客様を幸せにできますが、契約をするにあたっては、お客様から「信頼される」ということが達成されていれば、成立してしまいます。

なので、お客様の家ができるまでの一連のアドバイスをできるようになることは最低限必要ですが、そこから先は、絶対必要なものではなく、お客様に必要なものから順番に学んでいくでもいいし、自分が得意なところを伸ばしていけばいい箇所です。

前述のように、資格を取ることにとらわれて、使いもしない知識を一時的に身に着ける時間よりも、優先順位の高いものがたくさんあります。

なので、漠然と「勉強しよう、、、」と思って勉強するのではなく、「あのお客様に提案するための勉強をしよう」という勉強をしてください。

しっかり身に着けたい営業テクニック

最後は営業テクニックです。

テクニックというといやらしい感じがしますが、モチベーション、マナー、知識以外の、「住宅営業マンとして必要なもの」を包括的にテクニックとまとめています。

具体的には、お客様と出会う情報取得、接客テクニック、追客方法、アポイントテクニック、提案方法、契約後フォローまでと、多岐に渡ります。

この項目は、会社や担当者によって、正解がたくさんありますので、大きくこうすべきということはできませんが、自己分析をするためには、きちんとKPIの管理をしましょう。

具体的には、出会ったお客様の数、アポイントになったお客様の数、提案できたお客様の数、契約になったお客様の数、着工になったお客様の数を追いかけて、少なくとも3年分は表にしてみてください。

その上で、売れている営業マンと、その数字を比べてとしたら、何が足りていないのか、ボトルネックになっている部分が何かを考えてみてください。

単純に成約率がトップセールスの方が高いと決めつけている人が多い印象ですが、以前に会社の研修で教えてもらったのは、「提案から成約への%は10~15%くらいの差で、トップセールスでも不振社員でも変わらない」と習いました。

つまり、トップセールスと不振社員の住宅営業マンの差は、情報取得の数と、アポイントになったお客様の数で圧倒的に差が出ているケースが多いです。

自分が何を伸ばすべきかわらかず、最後の契約数だけを比べて、「俺とあいつは違うから」と諦めるのではなく、そのトップセールスと自分が何が違うのかを比較し、数字で追いかけることで、自分で戦略を練れるようになると、行動が大きく変わってきます。

私は、アポイントから提案へと移行する数字が圧倒的に悪いことに気づき、1回目のアポイントの満足度が低いことに気づきました。

初回接客からアポイント当日を迎えるまでの、お客様へのコンタクトと、当日への準備を変えたところ、一気に提案へと進める数字が増え、そこに伴って契約数も伸びました。

面倒かもしれないですが、自分の接客数、提案数、契約数をぼんやりでも把握できていない人が、売れるはずはないと思っています。

まずはそこを整理して、自分の課題を明確にしてみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

なかなかの長文になってしまいましたが、皆さんから、無料のご相談をいただいたときに、最初に私が整理していきたいのは、こういった項目です。

すぐに「転職したい」という方にも、明確な事情がない限りは、「売れれば解決できる問題がどれだけあるか」を少しの時間で構いませんので、考えていきたいです。

住宅営業の仕事は面白く、引き渡しの当日、できあがった家と笑顔のお客様を見るのは感動の瞬間です。

ぜひ、みなさんにも、素直に「住宅営業は楽しい」と思ってもらえると嬉しいです。

必死にもがいて、住宅営業マンとしての成功を目指してみて、それでももうだめだとなったとき、その時は真剣に転職エージェントとして、向き合わせていただきます。

何かに真剣になった方は、きっと次の会社の面接室に入った時、人事の方にはきらりと光る何かが映るはずです。